イナビルでよくあるトラブル。笛って意味ある?予防効果はいかほど。

2016-02-23外用薬のこと

5歳 男の子 小児科

Rp1 イナビル吸入(20) 1キット
    1日1回 1回2吸入

Rp2 カロナール(20%)   1g
    発熱時 1日3回まで 10回分

 

人
患者様

・・・。

ー患者さんの状態ー
熱が38.7℃あり受診。他の症状はひどくない。
検査の結果A型インフルエンザとのこと。
病院でイナビル吸入可能か笛を鳴らしてチェックした様。

他の薬局ではどうかわかりませんが、うちの薬局では、イナビルが処方された患者さんに、

ちょこ

今ここで吸入していきませんか?

と勧めています。

今年(H31年)の1月の休日救急対応の当番のときはすごかった。
投薬口でイナビルを25人ぐらい吸っていただきましたw
ゾフルーザは耐性株の影響なのか意外と処方少なかったように思います。

ただ、インフルエンザが流行しはじめで、かつ薬局が混んでるときは、勧めておきながら、
断って家で吸入してくれーっ!っと・・。
自分の労力もそうですが、他の患者さんとの接触を避けスッと帰宅していただきたい。
個室とかあるといいんですけど、うちはそんなリッチな薬局ではないので・・。

でも、イナビルが1回の吸入で済むというメリットを考えると、
家に帰ってからどうやるんだっけ??
と具合悪い中やるより、薬局で終わらせた方がいいのかな・・。

さてさて、今回の患者さんは薬局で吸入していくことになりました。

まずはイナビルの説明開始。

ちょこ

今日処方になった薬は今吸っていただければ、気管や肺に長時間とどまるので1回で終了となります。
ただ、その1回に2吸入していただき、さらに吸い残しがあるといけないので・・

人

あぁ、大丈夫です。さっき病院で笛のチェックしてきましたから。

説明をさえぎるようにして、すぐ吸入に取り掛かろうとする親子・・。

ちょこ

じゃあ、セットしますね。

トントントン、1にスライド。カチャ。

ちょこ

では、後ろの穴を塞がないように持って、笛を鳴らしたときのように吸って、できれば2、3秒息を・・

人

せーの!

人
子供

ふーーーっ。

わっさーっ。

イナビルの粉噴射ー!!

思いっきり息を吐き出しましたね・・。

目の前が真っ白に・・。
それは、粉が舞ってるせいなのか、ショックのせいなのか・・??

「いやぁーっ、説明は最後まで聞けよーっ!!」
と、頭の中で何度も叫びました。

数日後、後輩薬剤師も同じような目に合っていたので、結構あるトラブルなのではないでしょうか。

薬剤師が説明していた最中ってことで、うちの薬局では薬局の負担でもう1キットお渡ししましたが、この対応は難しいですね。
薬剤師が100%悪いって訳でもないですし・・。
通常、家でこのような失敗があった場合は、若干残ってるであろう粉ともう1吸入していただき、あとは医師のご判断にお任せするしかないですね。

ってか、あんな笛を鳴らせたって何の意味もない!!

吸えてるかどうかなんてエアーイナビルでわかりそうですけど・・。
むしろ息を吐き出さないってことが重要。
息を吐き出したら、ブッブー(×)と鳴るシステムならいいんですけどね。
・・、と怒りが爆発してたんですけど、日経メディカルのHPに笛で成功したら99.2%本番でも成功したとの報告が・・・。

マジ!?

とまぁ、自分の力量のなさを痛感していた訳で・・。
臨床試験では3歳児から使用していたようですが、正直、今回のような失敗を起こさない自信なしなんです。

ただ、その後3年はイナビル噴射の再発なしでした。
この経験を活き、きっと説明のポイントがうまくなってるんだろう?w
全然吸入してくれない子は何人かいたけど・・。

ついでに、

イナビルの予防効果は?

予防の用法は、成人及び10歳以上の小児:ラニナミビルオクタン酸エステルとして20mgを1日1回、2日間吸入投与する。
10歳未満での20mg1日1回、2日間の吸入投与の使用経験はないため、予防投与の対象を「成人及び10歳以上の小児」としたとのことです。

ただ、予防目的でイナビル吸入してもインフルエンザにかかる場合はあります。

インタビューフォームによれば、
国内においてA型又はB型インフルエンザウイルス感染症患者の同居家族又は共同生活者(10歳以上)を対象として、ラニナミビルオクタン酸エステル20mgを1日1回2日間吸入投与したときのインフルエンザウイルス感染症の発症抑制効果(初回投与後10日間)を検討した。

イナビル予防

ってなわけで、487人中19人がインフルエンザ発症・・。
予防中に発熱があれば、また受診してください。
その場合、また治療としてイナビルが出たり、他のインフルエンザの薬が処方となるでしょう。
仮に予防+治療でイナビルを吸入しても安全性には問題ないとのことです。

ちなみに、予防の場合は自費になります。
イナビル2キットで薬価が4279.8円。
それ+調剤基本料、薬歴管理料、調剤料など。
さっと見積もって5000円は最低かかりますね。
薬局によっては、後発加算や基準加算などプラスされます。