セイヨウオトギリソウを含む食品って?他の薬への影響は?併用注意の薬一覧。

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48歳 女性 消化器科 Rp1 ネキシウム(20) 1C |

セイヨウオトギリソウって何ですか?
どんな食べ物に入ってます?
ー患者さんの状態ー
逆流性食道炎で通院している患者さん。
ゲップや胸やけの症状がひどく処方変更。
今回からパリエット(10)1錠 ⇒ ネキシウム。
薬剤情報提供書に、
『セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品は摂らないでください。』
と書いてあり投薬中に質問されました。
うんうん。
知らない方にとっては、そりゃ重大ですよね。
むしろ聞かれる前に説明せねば・・。
この時は、

癒しやリフレッシュを目的とした健康食品やサプリメント、ハーブティなどに含まれていることがあるハーブです。
そういったものを飲んでいなければ、普通の食事から摂取することはまずないと思います。
と返答。
なかなか売っているところを見たことないですけど、以前セブンイレブンでDHCのセントジョージズワートってサプリ見たことありますねぇ。
今もあるのかな??
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これこれ!!
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ありましたねw
ちなみにハーブティーはこんなの。
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ハーブティー セントジョーンズワート セイヨウオトギリソウ (2. 内容量 50g) 新品価格 |
セイヨウオトギリソウは他の薬にどんな影響を?
薬物代謝酵素であるチトクロームP450、特にCYP3A4の誘導。
その他CYP1A2、CYP2C19なども誘導するみたい。
つまり、代謝を促進するので薬の効果が減弱します。
相当の薬でCYP3A4、1A2、2C19影響を受けますが、併用注意となってる薬は意外と少ないですね。
CYP3A4と言えば、グレープフルーツにより阻害されるってのが超有名な話しで、影響が大きい薬剤の1つにカルシウム拮抗剤があります。
グレープフルーツジュースとセイヨウオトギリソウは阻害と誘導なので、私の中では真逆の存在・・。
カルシウム拮抗剤の併用注意にグレープフルーツジュースがあるってことは、真逆のセイヨウオトギリソウもあるだろうと思いきや、
・・・ほぼ、記載なし!!(1剤のみ)
まぁ減弱されるのは間違いないと思いますが、併用注意に記載するほどでもないってかぁ・・。
併用注意にはこんな薬剤があります。
セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)と併用注意の薬剤一覧
| Ca拮抗薬 | |
| スプレンジール | (フェロジピン) |
| 抗うつ剤 | |
| トリプタノール | (アミトリプチリン) |
| 抗ヘルペスウイルス薬 | |
| アメナリーフ | (アメナメビル) |
| 抗てんかん薬 | |
| アレビアチン、ヒダントール | (フェニトイン) |
| テグレトール | (カルバマゼピン) |
| トピナ | (トピラマート) |
| フィコンパ | (ペランパネル) |
| フェノバール | (フェノバルビタール) |
| 抗不整脈薬 | |
| アンカロン | (アミオダロン) |
| リスモダン | (ジソピラミド) |
| プロノン | (プロパフェノン) |
| 強心薬 | |
| ジゴキシン | |
| ラニラピッド | (メチルジゴキシン) |
| 抗凝固薬 | |
| イグザレルト | (リバーロキサバン) |
| エリキュース | (アピキサバン) |
| ワーファリン | (ワルファリン) |
| 抗血小板剤 | |
| ブリリンタ | (チカグレロル) |
| 気管支拡張薬 | |
| スロービッド、テオロング、ユニフィル | (テオフィリン) |
| PPI | |
| オメプラール | (オメプラゾール) |
| ネキシウム | (エソメプラゾール) |
| ホルモン剤 | |
| エストラーナ | (エストラジオール) |
| プラノバール | (ノルゲストレル・エチニルエストラジオール) |
| ルナベル | (ノルエチステロン・エチニルエストラジオール) |
| ヤーズ | (ドロスピレノン・エチニルエストラジオール) |
| ジェミーナ | (レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール) |
| ウェールナラ | (エストラジオール・レボノルゲストレル) |
| プロセキソール | (エチニルエストラジオール) |
| 経口避妊薬他 | |
| 免疫抑制薬 | |
| ネオーラル、サンディミュンカプセル | (シクロスポリン) |
| プログラフ、グラセプター | (タクロリムス) |
| サーティカン | (エベロリムス) |
| 抗悪性腫瘍薬 | |
| アイクルシグ | (ポナチニブ) |
| イブランス | (パルボシクリブ) |
| グリベック | (イマチニブ) |
| イムブルビカ | (イブルチニブ) |
| イレッサ | (ゲフィチニブ) |
| スーテント | (スニチニブ) |
| ネクサバール | (ソラフェニブ) |
| アフィニトール | (エベロリムス) |
| アムノレイク | (タミバロテン) |
| インライタ | (アキシチニブ) |
| ジャカビ | (ルキソリチニブ) |
| タイケルブ | (ラパチニブ) |
| タシグナ | (ニロチニブ) |
| タルセバ | (エルロチニブ) |
| スプリセル | (ダサチニブ) |
| カプレルサ | (バンデタニブ) |
| ジカディア | (セリチニブ) |
| ゾスパタ | (ギルテリチニブ) |
| タグリッソ | (オシメルチニブ) |
| ニンラーロ | (イキサゾミブ) |
| ファリーダック | (パノビノスタット) |
| ボシュリフ | (ボスチニブ) |
| リムパーザ | (オラパリブ) |
| レンビマ | (レンバチニブ) |
| C型肝炎薬 | |
| ソブリアード | (シメプレビル) |
| ダクルインザ | (ダクラタスビル) |
| スンベプラ | (アスナプレビル) |
| エプクルーサ | (ソホスブビル・ベルパタスビル) |
| グラジナ | (グラゾプレビル) |
| ジメンシー | (ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル) |
| 抗HIV薬 | |
| インテレンス | (エトラビリン) |
| カレトラ | (ロピナビル・リトナビル) |
| シーエルセントリ | (マラビロク) |
| ストックリン | (エファビレンツ) |
| テビケイ | (ドルテグラビル) |
| ノービア | (リトナビル) |
| ビラセプト | (ネルフィナビル) |
| ビラミューン | (ネビラピン) |
| レクシヴァ | (ホスアンプレナビル) |
| トリーメク | (ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジン) |
| プリジスタ | (ダルナビル) |
| エジュラント | (リルピビリン) |
| エレルサ | (エルバスビル) |
| オデフシィ | (リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン) |
| ゲンボイヤ | (エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド) |
| コムプレラ | (リルピビリン・テノホビル ジソプロキシル・エムトリシタビン) |
| ジャルカ | (ドルテグラビル・リルピビリン) |
| スタリビルド | (エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシル) |
| ビクタルビ | (ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド) |
| プレジコビックス | (ダルナビル・コビシスタット) |
| レイアタッツ | (アタザナビル) |
| 麻薬 | |
| メサペイン | (メサドン) |
| その他 | |
| アデムパス | (リオシグアト) |
| オプスミット | (マシテンタン) |
| サムスカ | (トルバプタン) |
| レルパックス | (エレトリプタン) |
| セララ | (エプレレノン) |
| トビエース | (フェソテロジン) |
| ゼルヤンツ | (トファシチニブ) |
| トラクリア | (ボセンタン) |
| ノウリアスト | (イストラデフィリン) |
| パルモディア | (ペマフィブラート) |
| ブイフェンド | (ボリコナゾール) |
| ミネブロ | (エサキセレノン) |
| ラパリムス | (シロリムス) |
| オプスミット | (マシテンタン) |
| リアメット | (アルテメテル・ルメファントリン) |
赤字は併用禁忌になってますね。
CYPの誘導での併用注意ではなく、セロトニン作用を有する薬剤としてセイヨウオトギリソウが併用注意になってるのもありますね。
抗うつ剤
サインバルタ(デュロキセチン)、ジェイゾロフト(セルトラリン)、デプロメール(フルボキサミン)、パキシル(パロキセチン)、リフレックス、レメロン(ミルタザピン)、レクサプロ(エスシタロプラム)、イフェクサー(ベンラファキシン)
その他
アジレクト(ラサギリン)
また、セイヨウオトギリソウがP糖蛋白誘導剤として併用注意の薬剤もあるんですね。
オフェブ(ニンテダニブ)、ジオトリフ(アファチニブ)、プラザキサ(ダビガトラン)、デシコビ(エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド)、マヴィレット(グレカプレビル・ピブレンタスビル)、ソバルディ(ソホスブビル)、ハーボニー(レジパスビル・ソホスブビル)、ベムリディ(テノホビル アラフェナミド)
とまぁ調べてみましたが、抗悪性腫瘍薬と抗HIV薬は馴染みのない薬が多い・・。
今までは先発の名前のみ記載してましたけど、更新を機に一般名も入れてみました。
合剤が多くて見にくくなってしまったかw
添付文書検索をフルに使って調べましたけど、どんどん数が増えてく・・。
医薬品医療機器情報提供ホームページの
セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)含有食品と医薬品との相互作用
を参照してください。
こちらは、新しい薬はあんまり入ってないですけど・・。












